top of page
EDMについて

EDM=エレクトロニック・ダンス・ミュージックの略称で、音楽ジャンルの名称です。その解釈はシンセサイザーなどを用いて、主にクラブなどで踊ることを目的に作られたダンス・ミュージックの事全般をさします。ジャンルはテクノ・ハードコア・ハウス・ダブステップ・ユーロビート・ヒューチャーベース・ヒップホップなどが存在します。

​上野紘史インタビュー
上野紘史がEDMについて語りました in  2019

――初級編ですが EDM とは何の略ですか? 

上野紘史(以下、上):EDM はエレクトロニック・ダンス・ミュージックの略です。 

――有名なアーティストは誰ですか? 

上:EDM の立役者とも言える David Guetta はもちろん、Calvin Harris、ZEDD、Martin Grarrix や昨年亡くなってしまった Avicii などですね。 

――どの様な形式の音楽をさすものですか? 

上:広義にはエレクトロニックなダンスミュージックという事ですが、特に EDM というワードで語られる時の音楽形式に は 2000 年代後半から出てきた形式で「ドロップ」という歌のない大サビがあるというのが最大の特徴です。EDM は大き くわけるとハウスミュージック、いわゆる四つ打ちダンスミュージックの系譜と、ハードロックやパンクの系譜、ヒップホッ プの系譜と三つに分かれますが、どの系譜でもこの「ドロップ」という部分があるのが特徴です。 

――上野さんが EDM に初めて接したのはいつ頃で、その時の印象は? 

上:2010 年代に入った頃からです。それまでもともとダンスミュージックは好きで、主に高校生の時からトランスミュー ジックなどを制作していましたが、EDM を初めて聴いた時はそのポップさと展開のうまさに驚きと興奮を覚えました。 

――上野さんにとって EDM の魅力とは? 

上:みんなで歌ったり踊ったりすることができるというところですね。歌メロはもちろんですが、特に歌メロ以外のところ をみんな歌うんです。それだけ大サビのシンセメロに魅力があるということなんです。 

――2017 年にカルヴィン・ハリスを「サマソニ」で見たそうですが、どんな印象ですか? 

上:カルヴィン・ハリスはなかなかフェスなどには出演しないアーティストで、来日もかなり久しぶりだったんですね。世 界 No.1DJ でもあるので、絶対に見たいと思って見に行きました。すでに「万葉集×EDM」が動き出していましたので、 アーティストとしてとても刺激を受けましたね。EDM でない方向性の曲もリリースするような多様性のあるアーティスト なので、どんな音をやるのか観客もいろいろ期待していたと思います。当日はバリバリの EDM をやっていて、それだけ に賛否両論となっていましたね。しかし僕としてはフロアに集まった踊りたいと思っているお客さんの期待に答える、こ れが DJ カルヴィン・ハリスなのだという風に思え、とてもよかったです。 

――今年 2019 年はチェインスモーカーズが「サマソニ」に出ますが、彼らをどのように見ていますか? 

上:チェインスモーカーズは EDM に新しい流れを作りました。それは BPM をぐっと落として四つ打ちではない、どちら かというと Hip-Hop の渓流にあるリズムでドロップを作ったことです。メロディーもとても美しいもので、今までにない新 しい EDM として多くの人に受け入れられましたね。 

――EDM のトラックメイカー/DJ たちは上野さんにとってどんな存在ですか? 

上:世界で活躍するトラックメイカー/DJ たちは、ダンスミュージックとしての大切なノリを重視しながらも、美しいメロデ ィを作り、自分の楽曲で観客を踊らせています。彼らの強みは単なる「DJ」ではなく「Producer」つまりトラックメイカーな んですね。このいい曲を作った人を生で見たい、その人の DJ で踊りたいという風に観客は思ってライブに足を運びま す。良い曲を作る人がいつの時代も支持され、人を感動させるのだなと思います。 

――上野さんご自身はピアニストですが、今の EDM は結構生音も使っていますね? 

上:そうですね。Avicii がカントリーミュージックを EDM に導入した功績は大きいですし、Clean Bandit がチェロやバイオ リンなどを取り入れた EDM を作ってヒットさせたのも大きいですね。大事なのはどんな音でも人を踊らせるような構造 と音作り、メロディー作りをすることだと思います。 

――歌もの EDM の YouTube 再生数は億単位の作品が大量にあります。日本からその様な EDM 作品が生まれる可 能性はありますか? 

上:あると思って創っています。EDM は元々ヨーロッパが発祥です。昨年末ヨーロッパ最大のフェス、ハンガリーの首都 ブタペストで開かれる「Sziget Festival(シゲット・フェスティバル)」の日本の関係者が僕たちを見に来てくれて大変気に 入ってくれました。ヨーロッパには日本的なものを嗜好する人たちが沢山いるので、僕たちがそんなきっかけになれば とも思っています。 

――そんなフェスがあるんですか?もう少し詳しく教えてください。 

上:約 1 週間の期間で開催されるビックフェスで、さっき述べていたような著名 EDM アーティストも多数出演しています。 フジロックのように宿泊もできるようですよ。日本語サイトはないので残念ですが。 

――さて今回の DODOWAKA「万葉集×EDM」についてお聞きします。57577の和歌がどのようにして EDM と掛け算 できたのですか? 

上:まず和歌を歌にしようと思うと明らかに歌詞が足りないんですね。57577だけですから(笑)。少し困ったなと思って いたら、プロデューサーで我が社の社長が、和歌の57577の形式をもっと自由に、ただそのまま歌うのではなく、一 部をリフレインさせたり、あるいは現代語を用いてもよいし、自由に作ってみたらと提案してくださって。たしかによくみ ると、洋楽 EDM の歌詞は一部をリフレインさせていたりして、歌詞が短いものも多いんですね。EDM と和歌の親和性を 感じた瞬間でした。 

――5 首の和歌を使用した曲もありますね? 

上:はい。今回の「令和 -UMEnoUTAGE-」は5首の和歌を使っています。梅と春の訪れに関する歌を中心にまとめら れた万葉集第 5 巻の 32 首の和歌の中から選びました。 

――「令和 -UME no UTAGE-」は EDM 的には? 

上:BPM は 128。EDM で一番良く使われるテンポです。「ビルドアップ」にラップや擬音を使って、最大の盛り上げを「ワ ッショイ!」に持っていくように構築しました。 

――万葉の和歌を見て曲ができるパターンですか?

上:はい、詞先です。元々詞先は好きです。先に世界観があると自然と曲が湧いてくることが多いので。

――「恋ひ恋ひて」は EDM 的には? 

上:トロピカルハウスを意識しました。トロピカルハウスとは、少しゆっくりとしたテンポで、南国風な楽器の音色を使っ たハウスミュージックの事です。「恋ひ恋ひて」では、リードシンセの音色を温かみのある音にして、和歌の持っている 「切なさ」をより深く感じてもらえるよう練ったつもりです。

 ――今日はありがとうございました。

 上:ありがとうござました。

bottom of page